企業内でハラスメント発生直後から対応した事例

ご依頼内容

飲食関係で多店舗展開をしているA社の代表者から、若手の従業員からセクハラ、パワハラを受けていると被害申告に対し、どう対応したらよいかという内容のご相談がありました。
パワハラ・セクハラの加害者として、上司が名指しされており、被害申告があったことは伝わっていません。
A社代表者としては、最初の動きから顧問弁護士に対応してもらうことで被害を最小限に食い止めたい、という気持ちでした。

対応の仕方について

ハラスメントが発生したことについて相談や苦情があった場合、会社として、まずハラスメントという事実関係の有無についての調査を行うことになります。

相談者本人、相手方(加害者)のヒアリングを行い、更に必要であれば、第三者からもヒアリングします。

この調査と並行して、「被害者に対する適切な配慮の措置」として、事実関係が明らかになり、再発防止・二次被害防止といった体制が確保されるまでの間は、相談者と相手方を引き離すために、相手方に対して出勤停止を指示することにしました。

この事案について、弁護士は「時間制報酬方式(タイムチャージ)」での対応をすることとして関与することになりました。

 

どのような結果になったか

弁護士が相談者の勤務先に赴き、相談者から、時系列に沿って事実経過を尋ねるとともに、使用者に対して希望する対応についても聴取しました。
一つ一つの加害者側の言動や、携帯電話に残されたメッセージの内容を確認し、報告書にまとめて代表者に提出をしました。

その後、速やかに、加害者側にもヒアリングを行い、こちらも報告書を提出しました。加害者側は、ヒアリングにおいて、セクハラ、パワハラと思われる事実を概ね認めましたが、意図的な嫌がらせではなかったとのことで、今後は改める、謝罪をしたい、といった言葉がありました。

被害者側に、特に重い処分を求める意向もなかったことから、これら事実関係を踏まえ、加害者に対する処分として、別の店舗への配置転換を行うこととしました(その直後、全く別の事情で、加害者が退職することになりましたが。)。

この処分後に会社と協議した上で、再発防止のために、パワハラ・セクハラの防止規程について見直しを行うとともに、従業員向けの研修動画の作成・周知を行うこととして、実際に作業しました。

代表者からのコメントとしては、自分で対応していたとすると、きっと感情的になってしまって、退職を求めたり、解雇したりして、トラブルが拡大してしまったかもしれないが、社内の動揺も最小限に抑えて円満な退職で終わらせたことは大変良かった、と喜んでいただきました。

早期にご相談をいただくことによって、リスクを抑えた対応を最初から取ることができた事案です。

当事務所では現在、こういった労務対応のコンサルティングサービスを積極的に展開しています。経営者側で労働事件について多数の経験をしてきた弁護士だからこそできるアドバイスや、具体的な書面の作成、面談同席などによって、従業員の問題が紛争化する前に対応して参ります。

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2006年弁護士登録以来、企業法務、事業再生・債務整理、税務関係、交通事故、消費者事件、知的財産権関係、家事事件(相続・離婚その他)、
その他一般民事、刑事事件、少年事件に取り組む。講演実績は多数あり、地域経済を安定させる、地域社会をより良くしていくことに繋がる。
こう確信して、一つ一つの案件に取り組んでいます。

※日本全国からのご相談に対応しております。

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