労務問題でお悩みの経営者の方へ

企業側の労働問題 弁護士

使用者側からの労働問題に取り組む法律事務所として

1. はじめに
2. 良くあるご相談
3. 雇用について基本的な考え方
4. 当事務所のスタンス その1 ~強気な紛争対応と禍根を残さない配慮
5. 当事務所のスタンス その2 ~労働紛争の予防のための取組み
6. 未払残業代請求の問題が増えています
7. セクハラ・パワハラの問題は戦略的対応が必要
8. 団体交渉は弁護士にお任せ下さい
9. 解雇・雇止めの問題は早めのご相談を!
10. 労務の様々な問題について解説はこちらから

1. はじめに

当事務所は、労使間の紛争を数多く扱っていますが、使用者(経営者)側からのご相談にのみ応じることとしています。
使用者側のご相談としては、会社自体や代表者個人、あるいは経営幹部が訴えられるリスクがあるケースが典型的ですが、その場合、どのようにして会社を守るかが重要になります。
会社(個人事業を含む)にとって、重要なのは事業の存続であり、そのことで多くの従業員を守る、という意味合いもあります。
その場合、重要になるのは、紛争を予防することです。または、紛争が激化しないうちに早めに解決をすることです。そのためには、その会社や幹部たちと普段から接することで、会社側の労務に対する考え方を知り、改善を図っておくことが重要です。

2. 良くあるご相談

当事務所に寄せられる使用者側の方(代表者、人事責任者)からのご相談で、良くあるものは、次のようなご相談です。
どの会社でも起こり得るような相談がほとんどです。

  • 「従業員に対して根気強く指導してきたが、学習能力がないのか、仕事を覚えない。現場の責任者はサジを投げてしまうし、同僚も疲弊しているため、このまま放置するわけにいかない。辞めさせるにはどうしたら良いか。」

  • 「経営を安定させるためのコスト削減策として、残業代を抑制する方向での固定残業代、変形労働制などの採用を検討している。それと給与手当についてもこの機会に公平な形に改めたいが、どうしたら良いか。」

  • 「従業員の間でハラスメントが発生し、被害者から相談された。加害者側の従業員は責任者で、簡単にクビを切るわけにもいかないし、どのように聞き取りをしていこうか、悩んでいる。経営者としてどう対応すれば良いか。」

  • 「従業員が社外の労働組合に加入して、団体交渉を求めてきている。対応を任せたいがどうすればいいか。」

3. 雇用について基本的な考え方
~従業員は「人財」だが、リスクにもなる

多くの企業経営者は、従業員の働きが企業としての価値の源泉であることを身に染みて知っており、その意味で、従業員のことを「人材」ではなく「人財」として大切にしようとしています。成長する企業の代表者こそ、従業員への感謝を常々口にしているのを良く見かけます。
しかし一方で、素晴らしい代表者が経営する会社であっても、経営者側の期待に応える水準に達しない、あるいは、その期待を大きく裏切る従業員が現れるリスクを抱えています。人材採用の場面では、中長期の働きの中で成長してくれるはず、と期待するしかなく、必ずしも期待通りのパフォーマンスや人格を発揮してくれるとは限りません。
そればかりか、昨今では、見えないところで、従業員同士が足を引っ張り合うかのような出来事が頻発するようになっています。例えば、パワハラやセクハラ、マタハラといった数々のハラスメント、それを含む「いじめ・嫌がらせ」といった問題は、最近の労務トラブルに関する相談として最も多く、しかも年々増加しています。

事業の存続と発展に責任を負う立場の使用者によるマネジメントは、大きく分けるとヒト・カネ・モノの手当ということになりますが、中でもヒトの問題は最も難しいと言われています。
経営者は、事業の推進を妨げる原因となるような従業員を如何に辞めさせるかと頭を痛めています。

一方で、日本の労働法制、すなわち、労働基準法を始めとする労働関係法令は、雇用契約を交わした全ての労働者を対象に、その権利を厚く保護しています。これは昨今では周知の事実と言っていいと思われますが、労働者の権利が保護されるとしても、どの程度まで認められるのか、ということを正確に理解している経営者は、ほとんどいないと思います。
特に最近は時代の流れが早く、労働法制は日々刻々と変化し、新たな権利、新たな制度が生まれています。

そのため、経営者にとっては、①何か問題が起こった場合に備え、あるいは②何も問題が生じないように体制を整えるために、使用者側で労働問題を解決に導いた経験が豊富な弁護士に、労働問題の解決や予防・対策をアウトソーシングすることが、最も効率的で、正しい選択ということが言えます。

勿論、弁護士としても、従業員=「人財」という目線は、極めて大事です。
それを前提としつつ、厳しい対処をするときは、法令や過去の裁判例を踏まえ、戦略的な対策を練ることによって、有効な措置が選択でき、結果として、企業秩序の維持と人財定着が両立できることになります。

4. 当事務所のスタンス その1
~強気な紛争対応と禍根を残さない配慮

私ども本江法律事務所は、10年以上前から福岡・天神に事務所を構え、地元の企業経営者からのご相談を中心にお受けしてきました。
福岡の都心部で経営を続けていくことは簡単なことではありません。企業経営者として事業を成功に導くために必要な企業秩序から外れた従業員の行動に対しては厳しく律していく姿勢が求められます。

当事務所は、労務問題には企業経営者側で対応してきましたが、中には従業員側からの被害妄想的な損害賠償請求もありました。そういったケースでは、企業の代理人として、一歩も引かない、1銭も支払わない、という姿勢での対応を求められることも珍しくありませんでした。
もちろん、依頼を受ける際に敗訴リスクの説明はしなければなりませんが、勝訴するための戦略・戦術を徹底的に考え抜くために、遥かに多くの時間を使いました。

その結果として、弁護士にとって超重要な「交渉力」「書面起案力」を培うことができました。それ以外にも、成果を出すための様々な技術やコツのようなものがあります。徹底して争うタイプの訴訟や交渉を経験した中で学んだからこそ、企業経営者のための予防法務も紛争解決も実践的です。

また、当事務所は弁護士もメンタル心理カウンセラー資格を取得しているため、当事者間の紛争解決の終局的な場面では、依頼者側はもちろん、相手方のメンタルにもできる限りの配慮をして、不要な禍根が残らないようにすることを心がけています。

徹底的に戦うが、禍根を残さないための配慮は忘れない。そうした姿勢で企業の存続・発展を下支えしていきます。

5. 当事務所のスタンス その2
~労働紛争の予防のための取組み

当事務所が使用者側で労働紛争に取り組む場合に必ずお伝えすることがあります。
それは、今後の紛争発生を予防するためにできるがあれば、そちらでもお役に立てるということです。
いわゆる予防法務ということですが、弁護士として、継続的なアドバイザーとして携わっていくことが重要です。
どのような支援を必要とするかは、企業の規模や直面する課題などによって様々であるため、当事務所は、労務コンサルティングとして幾つかプランを準備しました。労務的な問題は、人事の仕組みと関連していることもあり、継続的な支援(最低6か月から)を想定しています。

サポートメニュー ニーズ サポート内容 ライト スタンダード プレミアム
5万円 10万円 15万円
問題社員対応レクチャー 問題社員対応のプロセスを知りたい 対応方法の注意点や対応プロセスを説明
退職勧奨サポート 問題社員を自主的に辞めさせたい 退職勧奨に関する相談と助言
退職勧奨プランの策定 ×
プラン実行の管理・指導
指導書面作成等、プラン実行支援
退職合意書等の書面の作成
解雇処分サポート 問題社員の解雇も考えている。 解雇に関する相談と助言
解雇プランの策定
プラン実行の管理・指導
解雇通知書等の書面の作成
従業員との面談 × ×
懲戒処分サポート 懲戒解雇を含め、問題社員に対して毅然と懲戒処分を行いたい 懲戒処分に関する相談と助言
懲戒処分プランの策定
プラン実行の管理・指導
戒告書面等の書面の作成
弁明の機会を含めた面談への立会 × ×
人事権行使サポート 問題社員を配置転換や転勤、あるいは降格させたい 人事権行使に関する相談と助言
適格な人事権行使手段の策定
プラン実行の管理・指導
人事異動等の書面作成
ヒアリング、面談への立会 × ×
団体交渉サポート 問題社員がユニオンに加入したが、不当な要求をされているので拒否したい 団体交渉に関する相談と助言
団体交渉対応プランの策定
回答書等の書面の作成
労働組合への直接対応 ×
団体交渉への出席 ×
書面作成サポート 解雇通知書など、問題社員対応の書式がほしい 各種書式の提供 ×
書面作成時の助言・支援
各種書面のリーガルチェック ×
交渉・訴訟対応 問題社員から具体的な請求を受けており、その対応をしほしい 従業員本人への対応
従業員の代理人弁護士への対応
労働基準監督署への対応
労働審判対応 × ×
訴訟対応 × ×
就業規則サポート 就業規則、雇用契約書を見直したい 就業規則・雇用契約書の助言指導
就業規則・雇用契約書の改定 ×

 

6. 未払残業代請求の問題が増えています

ところで、昨今では、未払残業代のご相談が、年々増加しています。急増していると言っても過言ではありません。

従来、残業代を支払っていない企業での問題と思われていましたが、今では、残業代をしっかり払っているつもりだった企業でも請求を受けると追加で支払いが必要になるケースが増えています。
未払残業代の問題は、残業代に関連した様々な制度(管理監督者、定額残業代、裁量労働制、変形労働時間制など)をしっかりと理解して運用していなければ、完全に防ぐことは難しいというのが実情です。こういった制度は、人件費を抑制するために導入したはずなのに、法的に要件を充足していなかったとなれば、想像しなかった費用がかかることになり、会社にとっては、大きなインパクトがあります。

しかも、民法改正前には未払賃金は2年分までしか請求できませんでしたが、改正を経て、令和5年3月以降は合計3年分まで請求ができるようになります。そのことを踏まえて、未払残業代の請求を呼び掛ける弁護士等の広告も盛んになってきています。

未払残業代の請求が来る前に、一度、専門家に相談して、どの程度のリスクがあるのかを把握しておかれると良いと思います。
最近、会社経営者の中には、労務関係については社会保険労務士に相談するという傾向があります。相談するのは構いませんが、未払残業代請求は法的紛争そのものなので、本来、社会保険労務士の守備範囲外です。
そのため、最終的には弁護士に相談するしかありません。
弁護士を選ぶ際には、『企業側で』残業代請求に対応した経験がある弁護士に相談し、使用者に寄り添って交渉・訴訟を進めてもらうように依頼しましょう。

7. セクハラ・パワハラの問題は戦略的対応が必要

現在の従業員からの相談で一番多いのは、「いじめ・嫌がらせ」です。これには「セクハラ」も入ってきます。ハラスメントの問題は、年々増加しており、深刻なものから、軽微なものまで、多種多様な問題が発生しています。

そのため、いざ従業員から相談があったときに、どのような対応をしたらよいのか、というのはケースバイケースということになります。経営者が自ら対応しようとすると、まずはいったい何が真実なのかが分からない、という非常に難しい問題に直面します。
事情が複雑であったり、簡単でも被害者と加害者の言い分が異なるケースでは、事実把握が非常に重要になります。

また、事情を把握した後に、加害者に対する処分を決めることになります。更に、それと並行して、被害者に対する二次被害が発生しないように配慮する必要があります。

ハラスメント発生前から対策しておくことは当然ですが、ハラスメント発生後の対応は、落としどころも見据えた戦略的な目線が不可欠です。加害者・被害者間の対立が解消できなくとも、企業として従業員からのクレームや賠償請求の対象にならないようにすることはできます。
何より人財定着のためにも、経営者が有事に公平・公正な対応をすることをアピールすることは有益です。

8. 団体交渉は弁護士にお任せ下さい

昨今、中小企業であれば、社内に労働組合があることはほとんどありません。しかし、労働者には団結権、団体交渉権が認められており、最近では、一人でも「合同労組」といって、会社の枠を越えて加入できる労働組合があります。これは「〇〇ユニオン」「〇〇一般労働組合」といった呼称で各地域にあります。パートや派遣で働く人たちのための労働組合や、管理職で構成された合同労組も、地域によっては存在しています。

従業員が合同労組に加入すると、その組合の役員が、事実上、従業員に代わって会社に団体交渉の申入れを行い、団体交渉にも、何人も引き連れてやってくることになります。

従業員もタダでお願いしているわけではなく、得られた利益の10%程度の組合費を支払うことになっているようです。

企業側は、団体交渉を理由なく拒絶すると、不誠実断交と言われ、労働委員会が不当労働行為として救済命令を出す可能性が出てきます。これは公開されるため企業イメージにもマイナスの影響があります。不当労働行為にならないような対応の仕方をする必要があります。

企業側での交渉には、胆力も必要です。大人数の組合役員と折衝しても引かないこと。労働法上の知識はもちろん、現場で機転を利かせることが重要です。団体交渉の経験が豊富な弁護士に立会いを求めることが最も効果的だと思われます。

9. 解雇・雇止めの問題は早めのご相談を!

従業員の解雇や雇止めの問題も、労務問題としては非常に繊細かつインパクトが大です。日本は、解雇しやすい国、と言われることがあります。しかし、一度、解雇された従業員が弁護士に相談してしまうと、解雇が法的に有効と扱われることは逆にレアケースと考えられます。つまり、日本で有効に解雇するためのハードルは高いのですが、そのことを十分に理解していない経営者と従業員との間では、簡単に解雇という言葉が出てくるため、解雇しやすい国、と言われている、というのが実情です。

経営者様が、従業員を解雇した後で相談に来られることがありますが、その時に必ず言ってしまうのは、「解雇する前にご相談いただいていたら」という一言で、そのためにも当事務所は顧問契約を企業経営者様にお勧めしています。

いずれにしても、人事・労務に関する問題は、経験豊富で、かつ企業経営者の話にしっかりと耳を傾ける専門家にご相談いただくのがベストです。
当事務所は、福岡・天神を拠点として、これまで人事・労務に関するご相談や、紛争解決のご依頼に対応してきた実績があります。

福岡で使用者側の労働問題に強い弁護士

問題社員の対応、残業代請求対応、解雇・雇止めの問題、セクハラ・パワハラの問題、労働審判対応等でお悩みのときは、弁護士にご相談ください。

「労働問題に強い弁護士」に相談するのはもちろん、普段から就業規則など自社の労務環境の整備を行っておくために使用者側の労働問題に強い弁護士にすぐに相談できる体制にもしておきましょう。

顧問弁護士に関する具体的な役割や必要性、相場などの費用については、以下の記事をご参照ください。

福岡市の弁護士との顧問契約締結を検討しておられる企業様へ

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労務の様々な問題について解説はこちらから↓

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休職と復職を何度も繰り返す社員にどう対処するか

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2006年弁護士登録以来、企業法務、事業再生・債務整理、税務関係、交通事故、消費者事件、知的財産権関係、家事事件(相続・離婚その他)、
その他一般民事、刑事事件、少年事件に取り組む。講演実績は多数あり、地域経済を安定させる、地域社会をより良くしていくことに繋がる。
こう確信して、一つ一つの案件に取り組んでいます。

※日本全国からのご相談に対応しております。

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